先日、一之宮について質問がありました。

産土神社はよく分からず、一之宮も多分これで合っているのではないかと思うのですが確信が持てないとのことでした。

産土神社、一之宮についても諸説有り、本当にこれだ! というのはないのかもしれませんが、有力な情報を信じるしかありません。

産土神社は母親が妊娠5~6ヶ月ぐらいに住んでいた場所の近くにあるいずれかの神社というのが有力な説です。

次に一之宮というのは、文献の中には、平安時代登場してきます。

なので、現在の○○県ではなく、東海道、南海道といった区分の中の平安時代の国の名前で定義されています。

ある地域において最も格式が高く、地域の産土神社の取り纏め、他の神様への情報の受け渡しネットワークの役目をしていたと考えるのが現代風だと思います。

当初は68の一之宮があり、国司に国を任せた地域にあったと考えられます。

そのため、朝廷が直接司っていた
 伊勢神宮(三重)
 出雲大社(島根)
 熱田神宮(愛知)
 熊野大社(和歌山)
 宗像大社(福岡)
は、一之宮といったような呼び方はしません。

また、平安時代以降に神社となった、天満宮(菅原道真、天神様)、春日大社、明治神宮、靖国神社なども一之宮にはなりません。

後世には二之宮、三之宮の呼称も出てきますが、様々な変遷を経て現在に至っています。

かの織田信長(織田氏)ゆかりの神社は劔神社(福井)で、越前国二之宮です。

一般的に、国司は赴任するとその国の主たる神社に参拝することとされていました。一番最初に参拝する由緒と格式がある神社が一之宮、二番目に参拝するのが二之宮というのが通説です。

時代が進むと次第に一之宮に国司が参拝するということは、律令制の崩壊とともに廃れて行きますが、時代の変遷で神社の規模などが変わると、一之宮も変遷していったようです。
ひとつの国に一之宮が複数存在するのはそのためと考えられてます。

平安当時、五畿七道六十六国全てに一之宮が存在ししました。
平安期には「蝦夷」「みちのく」「琉球」と呼ばれた地域がありましたが、現在は「新一之宮」が定められており、47都道府県に一之宮が存在します。

蛇足になりますが、一之宮等がある場所が後世になって地名になったところもありますので、いくつか紹介しておきます。

 一宮市(愛知県)は、尾張国一之宮である真清田神社があります。
 二宮町(神奈川県)は、相模国二之宮である川匂神社があります。

全国の一之宮は以下の通りです。
文献にならい、五畿七道六十六国で記してあります。
 

(記載例)
五畿七道、当時の国の名称 神社の名称 現在の都道府県名称

畿内
 山城国 賀茂別雷神社 京都府
     賀茂御祖神社 京都府
 大和国 大神神社   奈良県
 河内国 枚岡神社   大阪府
 和泉国 大鳥神社   大阪府
 摂津国 住吉大社   大阪府

東海道
 伊賀国 敢国神社   三重県
 伊勢国 椿大神社   三重県
     都波岐奈加等神社 三重県
 志摩国 伊雑宮    三重県
     伊射波神社  三重県
 尾張国 真清田神社  愛知県
 三河国 砥鹿神社   愛知県
 遠江国 小國神社   静岡県
 駿河国 富士山本宮浅間神社 静岡県
 伊豆国 三嶋大社   静岡県
 甲斐国 浅間神社   山梨県
 相模国 寒川神社   神奈川県
 武蔵国 氷川神社   埼玉県
     小野神社   東京都
 安房国 安房神社   千葉県
 上総国 玉前神社   千葉県
 下総国 香取神宮   千葉県
 常陸国 鹿島神宮   茨城県

東山道
 近江国 建部神社   滋賀県
 美濃国 南宮大社   岐阜県
 飛騨国 水無神社   岐阜県
 信濃国 諏訪大社   長野県
 上野国 貫前神社   群馬県
 下野国 日光二荒山神社 栃木県
     宇都宮二荒山神社 栃木県
 陸奥国 都都古別神社  福島県
     鹽竃神社    宮城県
 出羽国 鳥海山大物忌神社 山形県

北陸道
 若狭国 若狭彦神社 福井県
     若狭姫神社 福井県
 越前国 気比神宮  福井県
 加賀国 白山比咩神社 石川県
 能登国 気多大社   石川県
 越中国 高瀬神社  富山県
 越後国 弥彦神社  新潟県
     居多神社  新潟県
 佐渡国 度津神社  新潟県

山陰道
 丹波国 出雲大神宮 京都府
 丹後国 籠神社   京都府
 但馬国 出石神社  兵庫県
     粟鹿神社  兵庫県
 因幡国 宇部神社  鳥取県
 伯耆国 倭文神社  鳥取県
 出雲国 出雲大社  島根県
 石見国 物部神社  島根県
 隠岐国 水若酢神社 島根県
     由良比女神社 島根県

山陽道
 播磨国 伊和神社  兵庫県
 美作国 中山神社  岡山県
 備前国 吉備津彦神社 岡山県
 備中国 吉備津神社  岡山県
 備後国 吉備津神社 広島県
 安芸国 厳島神社  広島県
 周防国 玉祖神社  山口県
 長門国 住吉神社  山口県

南海道
 紀伊国 日前国懸神宮 和歌山県
 淡路国 伊弉諾神宮  兵庫県
 阿波国 大麻比古神社 徳島県
 讃岐国 田村神社   香川県
 伊予国 大山祇神社  愛媛県
 土佐国 土佐神社   高知県

西海道
 筑前国 筥崎宮   福岡県
     住吉神社  福岡県
 筑後国 高良大社  福岡県
 豊前国 宇佐神宮  大分県
 豊後国 西寒多神社 大分県
     柞原八幡宮 大分県
 肥前国 千栗八幡宮 佐賀県
     河上神社  佐賀県
 肥後国 阿蘇神宮  熊本県
 日向国 都農神社  宮崎県
 大隈国 鹿児島神宮 鹿児島県
 薩摩国 枚聞神社  鹿児島県
     新田神社  鹿児島県
 壱岐国 天手長男神社 長崎県
 対馬国 海神神社  長崎県

新一之宮
 蝦夷国 北海道神宮  北海道
 津軽国 岩木山神社  青森県
 陸中国 駒形神社   岩手県
 岩代国 伊佐須美神社 福島県
 琉球国 波上宮    沖縄県



なお、神様の社会は、縦社会でネットワークもしっかりしています。
正しくお願いすれば、ネットワークを通じて、何かしらアクションが飛んできますから、礼節を持ってお願いすれば大丈夫ですよ。
各地のパワースポットとして紹介されているものも多く、御利益も様々です。
自分の住んでいるところの一之宮の成り立ち、御利益を調べてみると親しみが増すと思います。



平安時代の国名と現在の県名を照らし合わせて見てください。
必ず見つかりますよ。